こんにちは!
先週は頭痛体操についてお話ししました。
本日は、先週紹介した下でイラストに示す「2分でOK! コマ体操」がなぜ効くのかを、東洋医学的とも関連の深い「片頭痛のツボ」を紹介しながら説明します。
1. 頭痛エキスパートが見つけた片頭痛の「ツボ」
日本の頭痛の研究やエキスパートの第一人者である先生が、とある発見をしました。片頭痛の人にとある箇所を押すと痛みが生じる「圧痛点」つまり「ツボ」を発見したのです。その場所が、以下の通りになります。
坂井文彦:「片頭痛」からの卒業, 講談社現代新書.
https://zutsu-online.jp/exercise/ より一部改変
この場所は片頭痛か緊張型頭痛かなかなか見分けがつかない人が来ると、私もよく触って押してみることで「片頭痛だな」と判断することがあります。
2. そこが東洋医学の「ツボ」と一致していた
頭痛のツボ「風池」
興味深いことに、古くから東洋医学で知られている「風池」というツボが、この場所とほとんど一致していました。よって、この場所は片頭痛の人の何らかの異常を反映した古くから知られた場所だということが分かります。
頭の後ろの真ん中の出っ張り(後頭隆起)と両耳の後ろの下向きの出っ張り(乳様突起)を触ってみてください。その中点から、少し指2本分くらい下に行くと、やや筋肉の間の凹んだ部分があります。そこが片頭痛の圧痛点≒頭痛のツボ「風池」です。
実際、鍼灸治療をこの場所に行うと、片頭痛を含む頭痛全般に効果があることが研究でもわかっています。
他にも頭痛のツボを紹介します!
緊張型頭痛のツボ「天柱」
他に代表的な頭痛のツボの一つが「天柱」です。風池よりやや内側の下で、多くの人では生え際に近い部分です。ここが凝っていると、ゴリっとした筋肉を触れます。
緊張型頭痛のツボ「完骨」
もう一つ特に緊張型頭痛で代表的なのは、「完骨」です。乳様突起のやや内側に、わずかな凹みがあります。私は特に週の後半になって首の疲労が蓄積すると、ここを押して自分の疲れを感じとり、ほぐします。
この三つのツボのエビデンスは、記事の最後にまとめてあります。
「頭痛のツボ」は他にも数多くあります!また他にも追って紹介したいと思います。
3. 片頭痛の人はなぜ首や肩が凝るのか。「ツボ」が全て教えてくれた。
以前、片頭痛の人でも7割首や肩が凝っているという話をしました。
片頭痛が起きそうになると、首や肩がパンパンに張ってくる。
ちょうど今日話した片頭痛の「ツボ」あたりから頭痛が始まる。
そういう方は多いのではないでしょうか?
それは、まさにこの場所が片頭痛の慢性化のメカニズムに関連した場所だからなのです。
片頭痛の人が長い期間頭痛にさらされると、本来「頭」に生じるはずの頭痛に神経の「混線」が生じて首や肩も痛くなります。
本来であれば前頭部や側頭部が痛むはずが、頭の後ろの神経も「巻き込まれて」しまうのです。
その結果、痛みの窓口である圧痛点は常に痛みに敏感となり、押すと痛みを感じるのです。
「頭痛体操」はこの場所を和らげてくれるから効く!
片頭痛のツボの付近は筋肉がたくさんいて混み合っています。これをほぐしてくれるのが頭痛体操なんです。
特に頭痛と一緒に肩や首が凝るという方。首を中心に左右の肩を回す動きで、片頭痛のツボの周りの筋肉がほぐれるのを感じながら、「頭痛体操」ぜひやってみてください
それでは次回予告。
「お薬を飲みたくない頭痛持ちの方へ」頭痛を改善させる習慣・総まとめ
それでは、お楽しみに〜!
参考文献
風池(GB20):風池を必須穴に含む多施設RCTで、真の鍼治療は偽鍼・通常ケアより片頭痛日数と発作回数を減らした。
Xu S, et al. BMJ, 2020, 368:m697 https://www.bmj.com/content/368/bmj.m697天柱(BL10):天柱部への局所ブロックは、対照群のない50例の報告で緊張型頭痛や片頭痛の改善を示した。
Manaka S. Rinsho Shinkeigaku, 2012, 52(11):1299-1302 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23196598/完骨(GB12):完骨+風池への電気鍼は、慢性緊張型頭痛30例の小規模RCTで偽電気鍼より頭痛頻度を減らした。
Jeon JY, Lee JS. J Korean Med Rehabil, 2019, 29(1):21-29 https://doi.org/10.18325/jkmr.2019.29.1.21










頭痛のエキスパートが見つけた圧痛点が、古くから伝わる東洋医学の「風池」というツボとほとんど一致しているというお話が非常に興味深かったです。単なる経験則だけでなく、きちんと国内外の研究データや論文といった根拠が添えられているため、とても信頼できる内容ですね。診察の現場でも実際に触って頭痛のタイプを判断する材料にされているとのことで、ツボが持つ意味の大きさを実感しました。